研究背景
本研究では特に高性能半導体に向けた接合材料に向けた銅ナノ粒子系を構築しています。
大量合成した銅ナノ粒子を用い、接合材料として取り扱える自立シート化を目的として、粒子濃縮操作、洗浄操作、分散操作および成形条件を検討した。化学還元法によって大量に合成した銅ナノ粒子を、メタノール、アセトン、エタノール等による洗浄工程を経てスラリー化し、さらにアルコール系溶剤を添加して分散安定性と成形性を調整した。得られた濃縮体について、XRD、SEM、SEMPORE、TG-DTA等により、粒子状態、残存有機物、分散状態を確認した。これらのペーストを用いた接合材料・導電材料の構築や、さらに接合材料としてシート化を行い高機能を引き出すことに成功している。 本研究で開発した銅ナノ粒子や銅ナノ粒子シートは、従来のペースト型材料と異なり、接合層厚み、接合面積、材料供給量を事前に制御できるため、実装工程における再現性向上が期待される。また、比較的低温・短時間の条件で高いせん断強度を示したことから、耐熱性の低い部材や温度制約の厳しい電子部品の接合にも展開できる可能性がある。さらに、銅は銀に比べて材料コストが低く、エレクトロニクス実装における貴金属使用量の削減にも寄与する。 銅焼結接合層は高融点であり、高温動作環境での接合材料として有望である。本研究成果は、SiCやGaNなどの次世代パワー半導体、車載用パワーモジュール、放熱基板、センサー実装、微細配線補修等への応用が期待される。特に、高いせん断強度と比較的高い導電性を両立するシート型材料は、実装現場での塗布ばらつきや乾燥ばらつきを低減し、量産プロセスへの適合性を高める可能性がある。